【2016年度活動報告】
設立5期目である当期は、4期目までに得た具体的成果を一層拡充できた。認証面では、マスク、メガネといった対策製品にも認証を拡げることができ、認証製品数は空気清浄機を含め55製品となった。教育啓発活動では、国立科学博物館で開催された「花粉と花粉症の科学」および併設セミナーが大きな成果であった。この展示に関係して多くのメディア取材も受け、テレビでの紹介もなされた。その他、花粉対策記念日(1月23日)や「花粉しっかり対策3ケ条」も上記展示の場を使いながら、広められた。花粉飛散日と花粉症発症の関係を調査する第3回目のアンケートも実施した。反面、会員数の減少等も続き、活動基盤の見直しをせねばならない状況であることも否めなくなった。以上の詳細を、以下活動ごとに記す。
-2017年3月現在の会員状況-
幹事会員 5社、一般会員 8社、
賛同省庁・自治体:3省庁、1自治体、
アドバイザー:4国立研究開発法人 1NPO法人 計23団体
*2016年度新規入会数 : 1社(帝人フロンティア株式会社)
*2016年度退会数 : 2社(武田薬品工業株式会社、帝人ファーマ株式会社)
-2016年11月-
*帝人ファーマ株式会社 → 帝人フロンティア株式会社 へ変更
■国立科学博物館企画展「花粉と花粉症の科学」
国立科学博物館と共催で、東京・上野の国立科学博物館で開催した。
・会期:2016年12月23日(金・祝)~ 2017年3月20日(日・祝)
・会場:上野 国立科学博物館 日本館1階 企画展示室(400㎡)
・主催:国立科学博物館、花粉問題対策事業者協議会(共催)
・目的:花粉や花粉対策の一般への啓発促進
・来場者数:約147,000人
・併設セミナー:「やさしく説明:JAPOCカンファレンス/上野KAHAKU-2017」全4回を実施
参加人数:第1回58名、第2回42名、第3回91名、第4回60名
■JAPOCセミナー(旧月例会・勉強会)
第1回(2017年3月16日 国立科学博物館)
(1)花粉症とソーシャル・メディア ~言語処理の医療応用の最前線~
奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構/情報科学研究科
ソーシャル・コンピューティング研究室 特任准教授 荒牧英治 様
(2)スギ花粉アレルゲン(Cry j 1, Cry j 2)のELISAによる測定
京都府立医科大学 生体免疫制御学講座 特任講師 嶋田貴志 様
~環境アレルゲン検出用イムノクロマト試薬のご紹介
関東化学株式会社 試薬技術部バイオケミカル課 主任 湯藤嘉文 様
■認証基準検討委員会
第27回2016年5月12日 三菱電機本社
第28回2016年6月16日 三菱電機本社
第29回2016年7月21日 日油本社
第30回2016年8月8日 三菱電機本社
第31回2016年10月19日 ユニ・チャーム本社
第32回2016年11月30日 日油本社
第33回2017年2月2日 ダイキン工業フーハ大阪
2016年度活動のポイント:
2015年に認証制度を開始した空気清浄機に続き、2016年度は花粉防止メガネ、花粉対策用マスクにおいて試験基準、認証基準を策定し、認証制度を開始した。策定工程としては認証基準検討委員会内で策定した試験基準案を有識者による査読、パブリックコメントでの意見収集を実施し、空気清浄機同様に透明でオープンな試験基準の作成を実践した。
また、上記3製品群に続き、繊維製品、換気扇に関しても試験基準策定に着手し、こちらは2017年度の認証開始を目標に議論を進めている。
取り扱う製品群も増えたことから、検証の精度とスピードの向上を目指してワーキングチーム制を導入するなど、認証基準検討委員会の体制見直しも実行した。
■渉外広報委員会
第18回(第12回広報戦略TF会議)2016年7月21日 日油本社
第19回(第13回広報戦略TF会議)2016年9月7日 日油本社
第20回(第14回広報戦略TF会議)2016年10月19日 ユニ・チャーム本社
第21回(第15回広報戦略TF会議)2016年11月30日 日油本社
2016年度活動のポイント:
協議会のプレゼンス向上と新規会員獲得を目的として、2016年12月23日(金・祝)~ 2017年3月20日(日・祝)開催の国立科学博物館企画展「花粉と花粉症の科学」に焦点を絞り、その企画展に合わせ、「花粉展の案内」、「花粉対策の日」と合わせて「花粉しっかり対策3ケ条」そして「マスクとめがねに関する認証取得」についてプレスリリースの内容と時期を広報戦略TF会議を軸に決定し実施した。
■戦略検討委員会
第9回2016年5月12日 三菱電機本社
第10回2016年6月16日 三菱電機本社
第11回2016年8月8日 三菱電機本社
第12回2016年9月14日 三菱電機本社
第13回2017年2月2日 ダイキン工業フーハ大阪
2016年度活動のポイント:
当初計画通り、①JAPOCプレゼンス向上/新規入会促進、②標準化に向けた検討、③グローバル化の検討、④空清機、マスク、眼鏡に続く第4の対策製品の検討を、一般会員も含めた会員のニーズ・意見をアンケート/ヒアリング等で調査し、結果を整理し検討した。その結果、①JAPOCの一般社団法人化については上申済で、運営委員会等で検討の方向、②第4の対策製品については、「繊維/繊維製品」、「空気清浄機以外の家電/換気空調機器」を抽出し上申して、認証基準検討委員会のWT発足で検討開始の運びとなった。加えて、JAPOCプレゼンス向上にむけた「啓発活動」についての検討にも注力した。そして、会員各社のJAPOCマーク活用ポスター、会員各社関連のHPサイトでのJAPOC活動の紹介等を、具体化する等の成果に結実させ展開済で、科博での企画展に加え、JAPOC啓発活動の推進も行った。
今後も、JAPOCの中長期計画と戦略の立案とロードマップ共有を継続し、今後の活動の基盤作りや会員ニーズに応える具体的な戦略的活動に落とし込むべく方向付けを行い、より具体的な活動を推進予定。
■花粉症発症アンケート実行WG
2017年1月16日 2017シーズン アンケート開始
2017年1月22日 花粉展併設セミナー(於:国立科学博物館)にて2015・2016アンケート結果報告実施
2016年度活動のポイント:
2015年花粉シーズンに引き続き2016年シーズン(2016年1月18日~3月16日)に「花粉症発症アンケート」を実施した。会員企業とその協力者、NPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会市民講座参加者、日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科外来患者、AICOS受講者、JAPOCホームページおよびFACE BOOKでのアンケート応募者、から回答をいただき、昨年を上回る有効回答707名を得た。本結果は、2015年の結果と合算した結果を花粉展にてポスター展示し、さらに花粉展併設セミナー(2017年1月22日)で詳細を報告した。
2017年1月16日より、2017年シーズンのアンケートを開始した。2016年シーズンと同じ質問項目であり、3年目の継続追跡となる。また、奈良先端科学技術大学院大学の荒牧特任准教授によるSNSを活用した発症検出との相関性を検討する予定である。
【調査項目】 「性別」、「年齢」、今シーズン症状が「初めて出た日」、「場所」、「症状」の5項目。
【調査対象】 協議会の会員および関係者、妹尾専門家理事主催AICOS(アキバイノベーションカレッジオープンセミナー)メーリングリスト、また、NPO法人花粉症鼻副鼻腔炎治療推進会が主催の市民講座(花粉展併設セミナー第3回)で協力依頼。
■認証制度運用
2015年に認証制度を開始した空気清浄機に続き、2016年度は花粉防止メガネ、花粉対策用マスクにおいても試験基準、認証基準を策定し、認証制度を開始した。今期は以下の対象製品を認証し、外部発表した。
(認証制度プロセス)
試験基準、認証基準策定手順、認証審査手順の作成。今後は認証監査方法を検討する。
(認証審査)
4月26日 パナソニックエコシステムズ(1機種2製品)
9月 7日 ユニ・チャーム株式会社(10製品)
9月23日 名古屋眼鏡(8製品)
11月14日 ダイキン工業(2機種34製品)
11月16日 パナソニックエコシステムズ(3機種5製品)
※2016年度合計 4社55製品
■その他
・学会出展「第25回日本臨床環境医学会」
会 期: 2016年6月17日・18日
会 場: 福島県 郡山商工会議所
内 容: 認証制度についてのプレゼンテーション、展示ブースにてJAPOCのPR実施
参加者: ユニ・チャーム釼持氏、ダイキン工業田中氏、三菱電機中津川氏、事務局
以上