花粉症発症調査報告<2017年シーズン>
花粉症発症調査報告
第2報<2017年シーズン>
スギ花粉飛散開始日前の症状発現に関する調査報告:第2報 <2017年シーズン>
花粉問題対策事業者協議会 「製薬関連・共通情報検討会議」
調査期間:2017年1月16日〜2017年4月2日
概 要
スギ花粉飛散開始前に症状を訴える患者が多いことが知られている。今回、これを検証する目的で、2015年、2016年に引き続き2017年のシーズンにおいてスギ花粉症患者を対象にアンケート形式で調査を実施した。その結果、若干の差異はあるものの、2016年とほぼ同様の傾向を示すことが確認された(以下、参照)。
- スギ花粉飛散開始前に約60%の患者が、症状を発症していた。
- その発症時期は、平均で約4.25日スギ花粉飛散開始日より早かった。
- 初期症状をみると、鼻水、目のかゆみ、くしゃみの順に多く、鼻づまりは、他の3症状に比し少なかった。
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調査対象
本協議会参加企業の従業員及び家族、NPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会市民講座参加者と日本医科大学武蔵小杉病院を受診した患者、企画展「花粉と花粉症の科学」(国立科学博物館)来場者及びAICOS( アキバイノベーションカレッジオープンセミナー)受講者を対象にアンケート調査を実施した。
また、昨年と同様に、本協議会HP、Facebook上でも例年花粉症の症状を発症する方に本調査への協力を募集することにより、合計で709人から回答を得ることが出来た。
初期症状調査の解析対象は706人、そのうちすべての調査内容に回答いただいた678人が症状発現日の解析対象となり、その内訳は、関東地区424人、関西地区76人、およびその他地域198人であった。
アンケート協力者
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調査方法
下記の項目について、インターネット、メール、および書面を用いてアンケートを実施した。なお、解析に際して使用する、スギ花粉飛散開始日は、花粉情報協会の公開情報を用いた。
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調査結果
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1)スギ花粉飛散開始日と症状発現日との関係
初期症状発現日を、①飛散開始前、②飛散開始時、③飛散開始後に分けて分析した結果、飛散開始前に症状を訴えたのは394人(58%)、飛散開始時は10人(2%)、飛散開始後は274人(40%)であり、飛散開始前より症状を発現するものが多い結果であり、飛散開始日と症状発現日の差は平均で-4.25日であった(2016年は-9.0日)。
初期症状の発現日に関して性別で比較すると、男性が花粉飛散開始日よりも-4日、女性が-4.56日とほぼ同時期に症状発現が認められた。また、年齢層での比較では、29歳以下は3.75日、30~49歳は-3.91日、50歳以上は-7.65日と高い年齢層で症状発現が早まる傾向が認められた。
地域別の比較では、一部の地域で花粉飛散開始後に症状が発現するなど、症状発現と飛散開始の差に開きが認められたが、いずれの地域でも高い年齢で症状発現が早まる傾向が認められた。
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2)初期症状
今回の調査結果では、77%の人が複数の症状を訴えていた。初期症状をみると、鼻水、目のかゆみ、くしゃみの順に多く、鼻づまりは、他の3症状に比し少なかった。
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謝辞
本調査にご協力いただきました皆様にはこの場をかりて心より御礼申し上げます。
協議会では、今後も花粉症に関する調査研究を継続し報告していくとともに、花粉症に悩む皆様に少しでもお役に立つよう努力していく所存です。